自分らしく生きるための時間とお金の使い方

日々思うこと

長野にも遅い春がやってきました。雪の重みで落ちた枝や葉が溜まり、雪解け水が道路まであふれています。この辺りでは気づいた人が掃除をします。この時期は色々なところで道路の陥没や、水が溢れている所がたくさんあります。それを行政が全部処理するには手が足りません。だからできることは自分たちでやります。

つい数日前まで雪で覆われていたのが、暖かい日差しで溶けると、家の敷地にフキノトウがたくさん顔を出しました。それを摘んでふき味噌を作るのが楽しみです。

50代になってこれからの人生を考えた

都会ではお金を払って色々な商品やサービスを、簡単に手に入れることができます。50代になると先の生活のことを考えるようになりました。いつまで働くのか、仕事を辞めたらどんな生活になるのか。
若い頃とは違う身体の変化も気になります。私も子育てが終わって自分の将来を考えました。

日本人の平均寿命が延びて女性は84歳です。10年後、20年後はどうなっているのかなぁと、まだまだ残りの人生は長いです。

人によって仕事を続ける人もいれば、趣味や旅行に時間を使う人もいるでしょう。時間とお金を何に使うのかを見ると、その時の状態や価値観がわかります。

私は以前は生活のために働いてきました。最初はシングルマザーとして子供を育てるため、子供が大きくなったら男性社会に負けないように、いつも目を吊り上げて働いていました。戦って生きてきた感じがします。

ストレスが溜まっていると、刺激のあるものを求めます。暴飲暴食でブクブクと太り、肌も荒れ
必要もないものまで買います。

ある時ジャケットを買おうと、レジでお金を払う時にアレッと思ったんです。このポケットの形は見たことがある! 同じものを2か月前にも買っていたんです。
なんということでしょう!同じものをもう一着買いそうになっていました。

いつも我慢をしてストレスが溜まり、精神的にもおかしくなっていたんです。家には物がいっぱい。それが溜まってくると時間をかけて片付ける、そんなことにお金と時間を使っていました。

会社員時代はやることに追われていました。仕事や家事、親のことやご近所づきあいなど。道を歩いていても頭の中は次のやるべきこと。あれをやって、これをやって、いつまでに終えないと後が大変だと。朝早く出勤し地下道を通って事務所へ入り、残業で暗くなってから家に帰る。

ある晩、帰宅途中でフッと気づいたんです。最後に夜空の星を見たのはいつだったか。
見上げると空に星が見えました。それまでの日常に疑問を持つキッカケでした。
いつも目の前の出来事にばかりに、気持ちが向いていました。残りの人生も同じように時間とお金を使うのか。

もっと丁寧に生きたい

その頃ぼんやりと感じていたのは、もっと丁寧に生きたいという想いでした。みんな全員に一日は24時間です。その時間を何に使うのかは人それぞれです。
俯瞰して自分を見ることができなかった。健康であればずっと仕事ができますし、仕事で社会と関わりを持ち続けられます。他の人の役に立つことで報酬がいただけます。

それに今の時代はIT技術を使って、遠くの人とでも簡単にコミュニケーションがとれます。海外の人とも無料で何時間でも話ができます。

今では自分で時間をコントロールできます。今は心地良いと思える働き方を大切にしています。

田舎暮らしをして、時間とお金の使い方が変わりました。何を大事にしたいのか。自分にとって何が大事なのかを大切にしています。
家から朝日が昇るのを見て、夕陽が沈むのを見ています。
ここでは数えきれないくらいの星が見えます。
日々自然に触れ、季節の小さな変化を感じます。
春は特に一日一日変化していきます。

こちらでは暮らしの一つ一つに時間をかけます。田舎暮らしではそれまでお金を払っていたサービスや商品を、自分でやらなければならないことが多くあります。
家の周辺を自分たちで綺麗にすること。野菜を作り、山菜やキノコを山で採ってそれを料理すること。家の簡単な修繕もします。

一人ではできないことが多いので、村の人たちで協力することが多くなると、その分、都会よりも人間関係が近いと思います。
そういうことが大変だと思うのなら、都会の暮らしの方が断然便利で楽です。

私は田舎暮らしをしていて、一つ一つ丁寧に生きているという実感が湧きます。50歳を過ぎる時期は、自分にとっての心地良さを考えることなんですね。

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