ペットが教えてくれた 後悔しない生き方

日々思うこと

この家に迎えてくれてありがとう

犬や猫、ウサギなど多くのペットは、人間と比べて寿命が短いです。生きているものは例外なく、いつかは死を迎えます。
それを頭では理解しているけど、いざウチの子が最期を迎える時には、悲しみが深くて耐えられなくなってしまいます。

特に初めて迎えた子や事故や急病でお別れすると、もっと受け入れ難いものです。
他の人たちはどうやって悲しみを乗り越えているのでしょうか。

その一つの方法として、アニマルコミュニケーションがあります。
私は今まで死を迎えた子や、看取り間近の子とお話することが多くあります。
飼い主さんに伝えたいことは何?と聞くと、どの子も言う言葉は
”この家に迎えてくれてありがとう” です。

何のために働いているのか

私がアニマルコミュニケーションを勉強したのは、ペットの死がキッカケでした。
子供が小さい頃から飼っていたコーギー犬は、便秘が続き病院には通っていたのですが、なかなか原因が分かりませんでした。
何日経っても良くならないので、別の病院で詳しく検査をしようと、入院した翌朝に亡くなってしまいました。

まさか、便秘で!

悲しみと早く対処していれば、治ったのではないかという後悔で、自分を責めペットロスになりました。
急に涙が止まらなくなったり、仕事や家事も手につかず夜も眠れなくなりました。
そんなときに息子がまた犬を飼いたいと言いました。
お別れした子のことが忘れられず、次の子も同じコーギー犬を迎えました。

その犬が9歳のときに、東日本大震災があったんです。

その頃は実家に犬を預けて週の半分は出張に出かけ、地震の時も京都から新幹線が動かず、翌日に帰宅しました。そして翌日からまた出張。
同じ年に病気の父が危篤となった時も、仕事で九州にいて最期の時には間に合いませんでした。

大事な家族が大変な時に、一緒にいられないなんて。何のために私はこんなに働いているんだろう。そう疑問を持ったんです。

でもそれまでの毎日に流され、会社を辞めることができずに2年が過ぎたときには、犬も高齢になってきました。
もうこの子と一緒にいられる時間は限られている。だからこの子のそばにいようと決め、会社を退職しました。

そう決断できたのは大切な家族と一緒にいる時間を大事にしたい、仕事ばかりの毎日で後悔したくないという考えがあったからです。
この過去の辛い経験から、その思いが芽生えていたから、数年かけて少しずつ立ち止まって考えることができました。

それから1年後には足が弱くなり、歩けなくなったので車イスを作り、その半年後には私の腕の中でお見送りができました。

動物は人間よりも寿命が短いです。どの子も最期を迎える時は、同じく悲しみはやってきます。
でも今度は看取りを覚悟して、残りの時間を大切に出来たし、自分ができる方法で介護もやり切ったと感じています。

人が死に際で後悔すること

多くの人が死に際に後悔することは、家族や友人との時間を大切にすればよかった、仕事ばかりしなければよかった、と言われています。

ペットとの別れも同じです。生きている間にもっと一緒にいてあげれば良かったと後悔します。仕事ばかりに追われて、ペットと一緒にいる時間がなかったと後悔します。

ペットはご縁があってその家にやってきます。
もしかしたらあなたのペットは、あなたの家に来て一緒に過ごすことで、あなたにとって何が大切なのかを教えてくれているのかもしれません。

急にお別れしたあの子は、私にそのことを気づかせるために我が家にやってきてくれたと思います。

目の前の出来事に、ただ流されて生きていくのではなく、自分はどんなことを大切に思うのか、自分は何にお金と時間を使うのか、それを改めて教えてくれています。

私は辛い経験があった後に自分の内側を見つめて、自分の時間とお金を何に使うのかを意識しました。
今、ペットにできることは何か、何をしたいのかを考えました。

一人一人違う答えが出ると思います。でもそれはその時に自分に向き合って出た答えなので、自分にとっての正解です。

この2頭のコーギー犬の後に今度は保護犬を迎え、一緒に色々なところに旅しました。
それから出てきた想いは、もっと自然の中でこの子と暮らしたい、ということ。
そして長野へ引っ越し、一昨年から猫も飼っています。

その時、その時に自分に聞いて出てきた答えです。

動物を飼うということは、お金も時間もかかります。
でも飼わない人よりも、もっと多くの経験ができます。
ペットと暮らすことの楽しさや悲しさを知っているからこそ、人生に深みが出てくると思います。

まっすぐにあなたを見つめる目を感じて、自分にとっての大切な時間とお金を何に使うのかを、一度立ち止まって考えてみてください。
自分が最期の日を迎える時に、後悔しない人生だったと笑えるように、時々立ち止まって自分の内側を見つめてください。

いつからでも変われます。

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